「補助金と助成金はどう違うの?メリット・デメリットは?」
「中小企業が確実にもらえる補助金には何があるの?」
「自分の都道府県だけで使える助成金は?どうやって探すの?」
「日本公庫以外に融資を受けられるとこはないの?」

中小企業と言うだけで優遇されて、いきあたりばったりで補助金や助成金をもらえる時代は終わりました。

今は、政府の方針を見極めながら、会社の経営戦略に低金利ですぐに獲得できる融資と、長期視点の補助金や助成金を組み込んで計画的に活用する時代です。

中小企業の広告戦略を支援する「デジマチェーン」が、補助金・助成金とは何か?、どんな種類があるか?、どうやって申請するか?採択率をどうやって上げるか?を全部説明します。

また、金融機関のよって大きく異なる融資について、中小企業がもらいやすい融資についても説明しています。

全部と言っても、中小企業に必要な情報に絞って一覧記載していますので、いま自社にとって必要な情報をすぐに得ることができます。

「銀行融資を受けるための手順やポイントを徹底解説【初心者必見!】」も併せてご覧ください。

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1.補助金・助成金とは?

助成金とは?

補助金・助成金とは、国や地方自治体が推進する政策と合致する事業を行う企業や個人に対しお金を交付することで、活動を支援する取り組みです。

通常企業が資金調達をする場合、日本政策金融公庫や金融機関から借り入れするのが一般的です。

しかし、助成金は借入金とは異なり返却する必要がないお金ですから、うまく活用できれば経営に役立てることができます。

補助金・助成金にはそれぞれ目的や主旨が設定されており、その目的や主旨に即した事業を行っていることが受け取りの条件になります。

補助金や助成金を受け取りたいと思った場合には、事前に申請を行い審査を受けます。

審査に合格したら実際に事業を行い、事業の完了報告を行って無事に業務が履行された場合にはじめて受け取れるというのが一般的な流れです。

助成金と補助金との違い

助成金と補助金との違い

助成金と補助金は同じ意味のように使われていることもありますが、意味合いは異なります。

助成金は労働環境の改善に関する取り組みを行った際にご褒美として支払われる資金です。

その一方、補助金は事業を活性化するための活用経費を補助するといった意味合いで資金提供が行われます。

そのため、助成金の使途は自由ですが、補助金の使途は決められているということが多いです。

その他の助成金と補助金の主な違いは下記の表の通りです。

助成金 補助金
主な管轄部署 厚生労働省 経済産業省
主な目的 雇用の促進
  • 中小企業の振興
  • 起業の促進
  • 特定分野の成長促進
時期 主に年度初めに公募 1年間
支給条件 誰でも一定の要件を満たすことで受給できる 上限の金額や採択の件数が決まっていて審査により受給できるかが決まる
使途 比較的自由 決まっていることが多い
金額 固定額 一定割合

2.補助金の活用シーン

活用シーン

補助金は、上述の通り国や地方自治体の施策に即した事業に取り組む企業を支援する形で支払われます。

具体的に補助金が活用できる代表的なシーンとしては以下の3つが挙げられます。

  1. 事業を開始する
  2. 新規事業を始める・新商品やサービスを開発する
  3. 法改正や規制緩和に対応する

このような場面では補助金を活用できる可能性があります。

補助金を使えるにも関わらず忘れて事業を開始してしまうことのないようにしなければなりません。

これらに該当する事業を予定している場合には事前に該当する補助金がないかを調査し、事業に着手する前に申請するように心がけましょう。

補助金を活用する上での4つの注意点

注意点

上述の通り、返す必要がなく収益と同じだけの効果がある非常にメリットの多い補助金ですが、活用にあたって注意してほしいことは以下の4点です。

  1. 申請期間は短い
  2. 補助金の支払い時期は事業終了後になる
  3. 期間内に事業を完了させなければならない
  4. 条件に適さない補助金は受け取れない

順番に説明します。

#1.申請期間は短い

補助金の申請期間は1カ月程度と短いものが多いため、募集自体を見落としたり提出資料の準備が間に合わないことがないよう注意が必要です。

次章で具体的な補助金を紹介しますが、その多くが毎年募集されているものです。

現時点でほとんどの案件で募集が完了していますが、来年度も同様の時期によく似た内容で募集される可能性が高いと言えます。

ただし、予算が通らず公募が見送られたり規模が縮小するケースもあります。

そのため、募集の案内が出た時期をチェックして1年後に備えておいたり、必要となる書類を確認して準備に時間がかかるようならあらかじめ用意を始めておくことが大切です。

#2.補助金の支払い時期は事業終了後になる

補助金の支払い時期は基本的には事業終了後になるため注意が必要です。

つまり、事業を実施するために物品やソフトを購入したり人員を投入する場合、一時的に経費を先払いする必要が出てくるのです。

補助金が返済の必要がない費用だからと言って全く予算の目途がないまま事業を進めてしまうとキャッシュフローに行き詰まる可能性があります。

当然のことながら費用の目途が立たないために計画していた事業を完了できない場合には補助金を受け取ることもできません。

補助金を申請する前に、補助金の受取が事業終了後になってもキャッシュフロー的に問題がないかを確認しましょう。

#3.期間内に事業を完了させなければならない

補助金を受け取るためには、期間内に事業を完了させなければならないという点にも注意が必要です。

補助金の多くは国や地方自治体が公募しているため、年度内に予算を使い切らなくてはなりません。

補助金の募集要項に記載されている期間内に事業を完了させることができなければ補助金を受け取る権利を失ってしまいます。

期日を遅れて事業を完了したとしても、その後補助金を受け取るということは基本的に難しいでしょう。

そのため、補助金の申請段階で事業を工期内に完了するスケジュールを立てられるかをきちんと確認する必要があります。

また、補助金の申請が通った後にもうっかりしていて事業の着手が遅れ工期が間に合わないといったトラブルが発生しないように十分注意しましょう。

#4.条件に適さない補助金は受け取れない

補助金を申請する際、条件に適さない補助金は受け取れないことに注意する必要があります。

補助金申請を通過したいがために申請内容を偽って書いてしまいたくなりますが、このような虚偽が発覚した場合には一度申請が通過しても後日取り消しになる場合があります。

通常事業が完了した際には完了報告書を提出する必要がありますので、申請時に虚偽をしても最後は見つかると思っていた方がよいでしょう。

また、虚偽はもちろんいけませんが、条件に適するかどうか判断に迷う場合もあります。

このような場合にはつい都合の良い方に解釈したくなりますが、後で取り消しになるリスクを避けるために必ず申請時に問い合わせをして条件に適しているかどうかの確認をとるようにしてください。

3.助成金の活用シーン

助成金の活用シーン

助成金を活用できる代表的なシーンとしては、以下の5つが挙げられます。

  1. 非正規労働者(派遣社員やフリーター)を正規雇用するための活動
  2. 障がい者や高齢者に安定した雇用を与えるための活動
  3. 保育士や介護士などの離職を防止するための活動
  4. ハローワークを通じた雇用活動
  5. 残業の削減など働き方改革に取り組む活動

以上のような活動を行った際には、助成金を受け取れる場合があります。

助成金をもらい忘れることがないように、また意図せず条件に適合しない活動をしてしまわないように、活動を始める前に助成金の詳細をよく確認しましょう。

助成金を受け取るまでの6つの手順

6つの手順

助成金を受け取るためには一般的に以下のような6つの手順を踏みます。

  1. 条件に合う助成金を探す
  2. 助成金を申請する
  3. 申請した内容の活動を行う
  4. 活動報告書を提出する
  5. 承認を受ける
  6. 助成金を受け取る

助成金の種類にもよりますが、助成金の申請から実際の受給までには1年以上かかることが多いです。

助成金は返す必要のない資金ではありますが、受給までには長い期間が必要となるため、その間の活動にかかる費用は一旦立て替えなければなりません。

キャッシュフローに問題が発生することのないように計画的に活動するようにしましょう。

助成金を受け取るための3つのポイント

3つのポイント

助成金を活用するためには、以下の3つのポイントがあります。

  1. 受給条件を満たしているか確認する
  2. 申請作業を計画的に進める
  3. 自社内で対応が困難な場合は専門家を活用する

順番に説明します。

#1.受給条件を満たしているか確認する

助成金を受け取りたい場合、受給のための条件を満たしておく必要があります。

助成金は労働保険料の一部を財源に、環境の改善に取り組む企業に対してご褒美として支払われます。

そのため、労働法令に違反している企業は受給条件を満たしていないという理由で受給できない可能性が高いです。

違反の例としては、三六協定を提出していなかったり残業代を適正に支払っていなかったりといったものなどです。

逆に、助成金を受け取れていることは労働法令を遵守できていることの証明にもなります。

このように、助成金の受給を目指す企業は、労働法令を遵守し受給条件を満たす必要があります。

#2.申請作業を計画的に進める

計画的に取り組む

助成金を受け取るためには、申請作業を計画的に進める必要があります。

助成金は、種類が多く条件も複雑でどれが自社に適するのかを調べるのに労力を使わなくてはなりません。

また、手続き書類が多く申請から受給までのスケジュール管理も煩雑なことからせっかく申請した助成金を受給できないといった例もあります。

実際に助成金が大きく普及しない理由として、これらの助成金を受け取るための作業の大変さが挙げられることも多いのです。

このように、助成金を受け取るためには煩雑な作業を伴うことをあらかじめ理解し、計画的に取り組むことが大切です。

#3.自社内で対応が困難な場合は専門家を活用する

専門家を活用する

ポイント2で述べたように助成金の種類が多く申請書類も複雑で難しそうと思われる場合は、専門家を頼ることも可能です。

助成金は、社会保険労務士が申請代行することが認められています。

社会保険労務士はその道の専門家であるため助成金について幅広い知識を持ち、どのような助成金が自社に適しているか、助成金を受けるためにはどのような活動をすればよいかを適切にアドバイスしてくれるでしょう。

逆に社会保険労務士という国家資格を持つ専門家が申請代行を行うことは法律上認められていませんのでご注意ください。

このように、助成金の申請を外部に支援してもらいたい場合には、社会保険労務士を活用しましょう。

4.融資はどこから受けられるか

融資の金利・手数料は融資を借りる相手によって異なってきます。

今回、中小企業が利用することの多い下記の3種類の相手ごとに金利・手数料がどのくらい必要かを説明します。

  1. 日本政策金融公庫
  2. 銀行系金融機関
  3. ノンバンク系金融機関

順番に説明します。

日本政策金融公庫

中小企業が融資を受けるにあたり、一番低金利でおすすめなのが政府系金融機関です。

中でも日本政策金融公庫は、政府系金融機関の中でも低金利が特徴の国が100%出資する金融機関です。

2008年まで中小企業金融公庫と呼ばれていた組織が現在は日本政策金融公庫に統合されています。

日本政策金融公庫の目的は、中小企業の事業を活性化のために運転資金の調達をしやすくすることです。

低金利以外にも下記の通りさまざまなメリットがあります。

  1. 実績不足や経営状況の悪化により他の金融機関で審査が通らない場合でも日本政策金融公庫なら融資が通る場合がある
  2. 融資や事業自体についての相談を受けられる
  3. 資金繰りが厳しい場合には返済の減額交渉ができる
  4. 創業融資に関しては無担保・無保証でも融資を受けられる

このように、日本政策金融公庫は中小企業を支援するためのさまざまな融資サービスを備えたおすすめの金融機関です。

日本政策金融公庫の金利・手数料相場

日本政策金融公庫は、中小企業の事業活性化が主な目的のため、民間金融機関では出せない低金利融資を提供してくれます。

日本政策金融公庫の金利は2021年時点で0.30%~3%程度です。

日本政策金融公庫の中小企業向け融資の代表的なサービスは以下の通りです。

融資制度 限度額 金利(※)
新事業育成資金 7億2千万円 0.30%~3%
女性、若者/シニア起業家支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
再挑戦支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
新事業活動促進資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.46%~
中小企業経営力強化資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.71%~
企業活力強化資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
IT活用促進資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
海外展開・事業再編資金 14億4千万円(うち運転資金9億6千万円) 0.46%~3%
地域活性化・雇用促進資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
事業承継・集約・活性化支援資金 7億2千万円 0.46%~3%
観光産業等生産性向上資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.40%~
働き方改革推進支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.46%~
環境・エネルギー対策資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
社会環境対応施設整備資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
経営環境変化対応資金 7億2千万円 1.11%~3%
金融環境変化対応資金 別枠3億円 1.11%~3%
取引企業倒産対応資金 別枠 1億5,000万円 1.11%~
事業再生支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 1.11%~3%
企業再建資金 7億2,000万円 0.65%~3%

※実際の金利は条件や信用リスク・融資期間等に応じて決定します。

詳しくはサイトを閲覧して確認してみてください。

このように、日本政策金融公庫はその成り立ちから考えても中小企業にとって一番融資を受けやすい、低金利で融資が受けられる金融機関です。

銀行系金融機関

銀行系金融機関とは、都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合などといった預金を取り扱う金融機関を指します。

日本政策金融公庫ほどの低金利ではありませんが、第2の選択肢としておすすめの金融機関です。

銀行系金融機関の中でも、規模が大きいほど(都市銀行>地方銀行>信用銀行)低金利になる傾向にあります。

銀行系金融機関の金利・手数料相場

銀行系金融機関(都市銀行)の金利は2021年時点で1.8%~9%程度です。

このように、銀行系金融機関は日本政策金融公庫に次ぐ低金利の金融機関です。

銀行融資の融資の受け方や手順について解説しているので合わせて参考にしてください。

ノンバンク系金融機関

ノンバンク系金融機関とは、消費者金融・信販会社・リース会社などの預金を取り扱わない金融機関を指します。

ノンバンク系金融機関は上で紹介した2つの金融機関に比べて金利は高いのが特徴です。

しかし、2つの金融機関に比べて審査に通りやすく、融資を受けられるスピードが速いという長所があります。

ノンバンク系の金利・手数料相場

ノンバンク系金融機関(法人カードローン)の金利は2021年時点で5.0%~18.0%程度です。

このように、ノンバンク系金融機関は高金利ですが融資スピードが速いのが特徴の金融機関です。

金利と融資スピードの関係

ここまで紹介した3つの金融機関を比べたとき、金利が低いほど融資スピードは遅くなり、金利が高いほど融資スピードは速くなるという傾向があります。

金利が低い場合、金融機関としては利息の収入が少なくなるため1企業でも資金を回収できない場合損益が悪化し経営に支障をきたすリスクが高くなります。

そのため、取引先からは必ず資金を回収せねばならず、審査には慎重を期す必要があり時間が長くなるのです。

一方、金利が高ければ利息収入が多いため一部の取引先で資金を回収できなかったとしても全体としてはカバーできます。

その結果、審査は必要最小限にとどめ融資スピードを速めることができるのです。

これらの特徴を理解し、資金が必要な時期と利息のバランスを考えながら必要な金融機関を選択するようにしましょう。

5.融資金利を下げる4つの方法

次に、金利を下げられる可能性のある以下の4つの方法を紹介します。

  1. 信用保証協会付きで融資を受ける
  2. キャンペーンを利用する
  3. 金融機関との信頼関係を築く
  4. 固定金利と変動金利を利用する

順番に説明します。

信用保証協会付きで融資を受ける

信用保証協会付きで融資を受ける場合、金利を下げられる可能性があります。

信用保証協会とは、中小企業が金融機関から融資を受ける時に債務を保証することによって資金を借りやすくすることを目的とした公的機関です。

信用保証協会の会員になることができれば、万一銀行からの融資を滞納することになってしまっても信用保証協会が肩代わりをしてくれます。

銀行側から見れば、それだけリスクなく資金を貸し出せることになります。

そのため、信用保証協会付きで融資を受けると審査が通りやすくなったり、低金利が実現しやすくなるのです。

ちなみに、信用保証協会の会員となった上で融資を受けることを信用保証付け融資、それ以外の融資をプロパー融資と呼びます。

創業間もない企業やまだ十分な実績のない会社であれば、多くの場合信用保証付け融資を紹介されることになるでしょう。

ただし、信用保証協会に入るためには審査があり、また加入できた後には会費がかかります。

このように、金利を低くしたい場合には信用保証協会付きの融資を受けるという方法があります。

キャンペーンを利用する

金融機関が実施するキャンペーンを利用して融資を受ける場合、金利を下げられる可能性があります。

金融機関が定期的に実施するキャンペーンの多くは新規顧客を増やすことが目的です。

キャンペーンは個人向けの融資に多く見られますが、法人向けの融資にキャンペーンが企画されている場合もあります。

このキャンペーンをうまく利用して融資を申請することができれば、通常より低金利で融資を受けられるでしょう。

金融機関との信頼関係を築く

金融機関との信頼関係を築くことでも、金利を低く抑えられる可能性があります。

金融機関は、融資の可否や金利を決定するにあたって審査を行います。

決算書などすでに数字が決まっているものはもちろんのこと、それ以外にも企業の将来性や経営者の手腕などさまざまな基準で審査を行いを総合的に判断を行います。

そのため、金融機関に対しては必要な情報を積極的に開示し、自社の魅力を十分に理解して信頼してもらうことが大切です。

また、最後は人と人とのつながりですから、金融機関の担当者に何とかこの企業を応援したいと思ってもらうことができれば、金利を少しでも下げられるよう手をつくしてもらえるものです。

担当者が親身になってくれれば融資が通りやすくなるためのアドバイスももらえるかもしれません。

このように、金利を少しでも低く抑えたい場合には、金融機関に対して誠実に対応し信頼関係を築くことも大切です。

固定金利と変動金利を利用する

固定金利の場合、借入期間中の金利は固定され途中で変わる一方、変動金利は借入期間の途中で金利が変わる可能性があります。

借入期間の途中で金利が上がれば固定が得で、金利が下がれば変動が得です。

固定金利は借入期間中に金利が上がった場合のリスクがなくなる分、変動金利に比べて通常0.5~2%ほど金利が高くなります。

政府系金融機関や制度融資(詳細は後ほど紹介)の場合には固定金利が利用されることが多く、銀行のプロパー融資の場合は変動金利が利用されることが多いです。

このように、融資を受ける際の金利は固定金利と変動金利の2種類から選択することになります。

6.中小企業が資金調達に活用できる補助金5選

補助金5選

中小企業が活用できる補助金として代表的なものを以下の5つ紹介します。

  1. 小規模事業者持続化補助金
  2. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  3. 事業継承補助金
  4. IT導入補助金
  5. 軽減税率対策補助金→終了

順番に説明します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営を見直し事業継続に向けて発展的に経営計画を作成することを支援し、販路開拓など必要となる経費の一部を補助します。

小規模事業者は、従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者を指します。

本補助金は、日本商工会議所が公募しており、経営計画の作成には商工会や商工会議所の支援を受け、その計画に沿った取り組みに対して支援を受けることが可能です。

申請にあたっては、経営計画書や補助事業計画書を提出する必要があります。

これらの書類を審査して採択されるかが決定するため、審査基準や記入例を熟読の上丁寧に作成することが大切です。

このように、小規模事業者持続化補助金は、日本商工会議所が事業継続に向けた経営計画の作成を支援し、その計画に沿った販路開拓などの施策をサポートしてくれる補助金です。

何か新しいことを始めたいと思ったときは、とりあえず小規模事業者持続化補助金を検討すればいい、というほど使い勝手の良い補助金です。

小規模事業者持続化補助金の制度概要、申請の方法、採択率を向上させる重要ポイントまで説明します。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、生産性向上のために革新的なサービスや試作品を開発したり生産プロセスの改善を行うために必要な経費を補助します。

名前には「ものづくり」とついていますが、製造業だけでなくサービス業でも申請が可能です。

対象となるのは中小企業および小規模事業者等で、認定支援機関のバックアップを受けた場合に設備投資などの費用が補助されます。

取り組む、生産性向上に資する革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援するものです。

そんな悩みを持つ中小企業の経営者、個人事業主を「補助金の王様」とも呼ばれる、ものづくり補助金が応援します。

2020年感染症拡大による経済被害対策にも、大型補助金としていち早く対応しています。

詳しくはこちらの記事で説明しています。

ものづくり補助金の申請採択ポイントは?新規事業とは?個人事業主も?

事業継承補助金

事業継承補助金

事業継承補助金は、経営者の交代・事業再編や事業統合を伴う経営革新などを行う場合に経費の一部を補助するというものです。

対象となるのは後継者不在などの理由により事業継続が困難となることが予想される中小企業者などで、世代交代を通じて国内経済の活性化を図ることを目的としています。

2025年には中小企業の247万社で、経営者の年齢が70歳を超えると予測されています。

そして、恐ろしいことに、その半数は後継者未定と考えられています。

この状況を放置すれば、中小企業が持つ優れた技術やノウハウも失われてしまいかねません。

そのような事態を防ぐための国の制度が、事業承継補助金(現 事業承継・引継ぎ補助金)です。

経営の世代交代をして、経営革新を実施する企業を応援してくれるので、攻めの事業継承・M&Aを行いやすくなります。

事業承継補助金の制度概要、申請方法のステップを説明しています。

IT導入補助金

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が自社の課題解決のためにITツールを導入する際に、経費の一部を補助することで業務効率化や売上アップを支援します。

補助対象企業は中小企業や小規模事業者とされ、飲食・宿泊・卸/小売・運輸・医療・介護・保育などのサービス業、製造業・建設業など幅広い業種が対象です。

補助対象となるのはあらかじめIT導入支援事業者から登録があり認定されているITツールで、ホームページ上で公開されています。

信頼できるITツールのベンダーと協力して、最大450万円の補助金をもらうことができます。

2020年感染症拡大による経済被害対策にも、在宅ワーク・テレワーク導入を支援する補助金として対応しています。

詳しくはこちらの記事で説明しています。

IT導入補助金申請の採択率アップ!ホームページ制作も対象?!

軽減税率対策補助金→終了

軽減税率対策補助金

軽減税率対策補助金は、2019年10月からの消費税率10%への引き上げに合わせて実施される消費税軽減税率制度に対応するための補助金です。

複数税率対応レジの導入、受発注システムの改修、請求書管理システムの改修が必要となる事業者がそれぞれ補助金対象となります。

それぞれの補助金の上限および補助率は以下の通りです。

対象 上限 補助率 備考
複数税率対応レジの導入 レジ1台あたり20万円 3/4 一部例外有り
受発注システムの改修 対象システムや条件によって異なる 3/4
請求書管理システムの改修 1事業者あたり150万円 3/4 請求書発行用のプリンタ・パソコンは1/2

2019年9月30日までに導入や支払いが完了していることを条件に、12/16まで申請を受け付けます。(一部受付を完了しているものも有り)

このように、軽減税率対策補助金は2019年10月からの消費税軽減税率制度に対応するための補助金ですので、該当する経費は忘れずに申請するようにしましょう。

7.中小企業が活用できる助成金5選

助成金5選

ここからは、実際に中小企業が活用できる助成金を以下の5種類紹介します。

  1. トライアル雇用助成金
  2. キャリアアップ助成金
  3. 65歳超雇用促進助成金
  4. 職場定着支援助成金
  5. 特定求職者雇用開発助成金

順番に説明します。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は、職業経験や技能・知識等の問題から安定的な就職が困難と思われる求職者を一定期間試行的に雇用した企業に対する助成制度です。

本助成金を利用することにより、求職者の適性や業務を遂行できる可能性を見極めて求職者と企業の相互理解を深め、早期就職を実現したり雇用機会を創出することを目的としています。

本助成金を適用するためには、諸々の条件に該当する求職者を、ハローワークや職業紹介事業者などを介して雇用する必要があります。

支給対象期間 支給対象者を雇用した日から最長3か月間(まとめて1回で支給)
支給額 対象者1人につき4万円/月(母子家庭の母等・父子家庭の父の場合は1人につき5万円/月)

このように、トライアル雇用助成金は安定的な就職が困難な求職者を試行的に雇用した場合に支払われる助成金です。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者が企業内でキャリアアップできるような取組を実施した企業に対する助成制度です。

以下の7つのコースがあります。

  1. 正社員化コース
  2. 賃金規定等改定コース
  3. 健康診断制度コース
  4. 賃金規定等共通化コース
  5. 諸手当制度共通化コース
  6. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  7. 短時間労働者労働時間延長コース

中でも人気の高い正社員化コースの概要は以下の通りです。

条件 パートや派遣などの有期契約労働者などを正規雇用労働者などに転換もしくは直接契約すること

ただし、雇用後半年(もしくは派遣後半年)が経過していること

支給額 有期→正規 57万円/1人(生産性の向上が認められる場合は72万円/1人)

有期→無期 28.5万円/1人(生産性の向上が認められる場合は36万円/1人)

無期→正規 28.5万円/1人(生産性の向上が認められる場合は36万円/1人)

このように、キャリアアップ助成金は、企業内の非正規雇用の労働者に対するキャリアアップを推進する企業に支払われる助成金です。

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金は、高齢者が年齢に関わらず能力・意欲のある限り働くことのできる社会を実現するための助成金制度です。

生涯現役社会を創るために必要な以下の3つの活動について助成されます。

  1. 65歳超継続雇用促進
  2. 高年齢者評価制度等雇用管理改善
  3. 高年齢者無期雇用転換

中でも人気の65歳超継続雇用促進は下記の通りです。

条件 以下のいずれかの措置を行い、制度の規定時に費用がかかっていること

  1. 65歳以上への定年引き上げ
  2. 定年の定めの廃止
  3. 希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入

1企業につき1回のみ支給

支給額 最大で160万円支給(措置の内容・年齢の引上げ幅・60歳以上の雇用保険被保険者数によって金額が異なる)有期→正規 57万円/1人(生産性の向上が認められる場合は72万円/1人)

このように、65歳超雇用推進助成金は、社会の高年齢化に対応し65歳を超える方でも安心して働き続けられる職場環境を促進するための助成金です。

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、雇用管理制度を導入することなどにより雇用管理の改善を行い、離職率を低下させるための取り組みを行った際の助成制度です。

雇用管理制度とは、評価・処遇制度や研修制度、メンター制度、健康づくり制度などを指します。

介護事業主や保育事業主が賃金制度の整備を行ったり介護事業主が介護福祉機器を導入するなどして、離職率の低下に取り組んだ場合も対象です。

ちなみに、平成29年度まであった職場定着支援助成金・人事評価改善等助成金・建設労働者確保育成助成金の一部コースは本助成金に統合されました。

人材確保等支援助成金には以下の3つのコースがあります。

  1. 雇用管理制度助成コース
  2. 介護福祉機器助成コース
  3. 介護・保育労働者雇用管理制度助成コース

この中で、雇用管理制度助成コースの詳細は下記の通りです。

条件 雇用管理制度整備計画を作成して管轄労働局の認定を受け、計画期間内に実施した結果、離職率の低下目標を達成すること
支給額 57万円(生産性要件を達成した場合は72万円)

このように、人材確保等支援助成金は、雇用管理制度の導入等により離職率を低下させるための取り組みを行った場合に支給される助成金です。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、就職困難者(高年齢者や障がい者など)を雇用保険の一般被保険者として継続的に雇用する企業に対する助成制度です。

対象となる労働者は、高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等、身体・知的障がい者、重度障がい者などが該当します。

条件 対象となる労働者をハローワークや職業紹介事業者などを介して雇い入れること

支給終了後も相当期間雇用を継続することが確実であること

支給額 最大240万円(対象となる労働者の類型や企業規模によって金額が異なる)

このように、特定求職者雇用開発助成金は就職困難者を継続的かつ雇用保険の一般被保険者として雇用する企業に支払われる助成金です。

両立支援等助成金

両立支援等助成金

両立支援等助成金は、職場と家庭の生活が両立できるような職場環境をつくる企業に対する助成制度です。

両立支援等助成金には以下の6つのコースがあります。

  1. 出生時両立支援コース
  2. 介護離職防止支援コース
  3. 育児休業等支援コース
  4. 再雇用者評価処遇コース
  5. 女性活躍加速化コース
  6. 事業所内保育施設コース(平成28年4月から新規受付を停止)

この中で出生時両立支援コースの詳細は以下の通りです。

条件 男性が育児休業や育児目的の休暇を利用すること
支給額 連続5日以上の育休取得に対して最大57万円、さらに生産性を満たした場合は72万円(取得人数や取得期間によって異なる)

育児目的休暇の導入・取得に対して28.5万円、さらに生産性を満たした場合は36万円

このように、両立支援等助成金は職場と家庭の生活の両立を推進する企業に対して支払われる助成金です。

8.中小企業が活用できる融資4選

助成金5選

ここからは、実際に中小企業が活用できる助成金を以下の5種類紹介します。

  1. 新創業融資
  2. マル経融資
  3. 経営革新計画
  4. 地方自治体の制度融資

それぞれについて説明します。

新創業融資

法人として、または個人事業主として、起業を決めたものの、銀行から融資を受けることは難しい現実。

でも、日本政策金融公庫の「新創業融資」であれば望みがあります!

まだ実績が少ない起業家を応援する日本政策金融公庫であれば、最大3,000万円の高額融資を、わずか1カ月というスピードで獲得することが可能です。

詳しくはこちらの記事で説明しています。

新創業融資が初めてでもわかる3つの裏技と審査通過3ポイント解説

マル経融資

運転資金の調達にいつも悩まされるのが中小企業経営者、個人事業主の日常。

低い金利の融資を、目を皿にして常に探し続けているのではないでしょうか?

でも、日本政策金融公庫「マル経融資」があります!

商工会議所を窓口にして、無担保・無保証人、しかも年1%台の低金利で、最大2,000万円の融資を受けることができます。

詳しくはこちらの記事で説明しています。

マル経融資の審査基準は?金利1%台?3大メリットとパスする7大戦略完全ガイド

経営革新計画

やる気のある中小企業を選別するために導入されたのが、「経営革新計画」です。

中小企業というだけで、補助金や融資を簡単に獲得できる時代は終りました。

経営革新計画が国や都道府県に承認されれば、融資調達、補助金獲得、販路開拓への道が大きく開けます

経営革新計画自体は融資ではありませんが、経営革新計画が承認されることで融資を受けやすくなります。

詳しくはこちらの記事で説明しています。

経営革新計画承認のメリットは?申請5ステップと申請書の書き方4ポイント!

地方自治体の制度融資

制度融資とは、各地方自治体が信用保証協会と金融機関と連携して展開している融資の仕組みです。

地方自治体が窓口となり、企業からの申し込みを受けます。

地方自治体は金融機関に対して制度融資のあっせんを行うとともに、自治体によっては預託金を提供したり利息の一部を負担する役割を担います。

信用保証協会が融資の保証人となりますが、こちらも地方自治体が保証料の一部を負担する場合もあります。

このような仕組みを構築することで、金融機関の貸し倒れリスクを軽減させることができ、起業したばかりの中小企業でも融資を受けやすくなるのです。

制度融資は、銀行を競わせるという主旨のものではないため、どの銀行を通しても基本的に金利・保証料率は一定です。

制度融資にも下記の通りさまざまなメリットがあります。

  1. 格付けが低い企業にとっては通常の銀行融資よりも低金利になる可能性が高い
  2. 据置期間(金利だけを返済すればよく元本の返済は不要)が1年前後と長く、余裕を持った返済ができる
  3. 自治体によっては、地方自治体が金融機関の利息や信用保証協会の保証料の一部を補助してくれる

ただし、制度融資は審査期間が2~3か月と非常に長いため注意が必要です。

これは地方自治体・金融機関・信用保証協会それぞれの手続きや審査が必要となるためで、必要書類も多く手間もかかります。

制度融資を利用する場合には余裕を持ったスケジュールで申請手続きを行うように気を付けましょう。

制度融資の代表的なサービスは以下の通りです。

地域ごとに制度融資の内容は異なりますので、詳細は各自治体のサービス内容をご確認ください。

まとめ

中小企業や個人事業主を応援する14の補助金、助成金、公庫融資などの制度を紹介しました。

会社のステージに合わせたさまざまな制度のメリット、デメリットをよく理解して、自分の会社に最も適した制度を、タイミングを外すことなく活用したいところです。

どれも利用実績の多い制度ですから、すぐに廃止されるということはないと思われますが、毎年アップデートされ、修正が加えられますので、常に最新の動向を調べておきましょう。

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