IT導入補助金の自社採択率アップ!絶対に落ちないための虎の巻

こんな悩みありませんか?

「給与計算をシステム化して、経理担当の残業をなくしたい」

「ベテラン社員の引退が近づいているので、在庫管理をコンピューターに取り込みたい」

「飲食店で外国人のお客が増えているので、セルフオーダーのシステムを導入したい」

リソースの少ない中小企業の経営者、また個人事業主にとって、業務のシステム化、可視化は避けて通れない課題です。

しかし、中小企業や個人事業主の規模にちょうどよいITツールは意外に品ぞろえが少なくコスパも悪くなりがち。

その中で、すべての中小企業経営者や、個人事業主がおさえておくべき資金調達方法は「IT導入補助金」です。

IT導入補助金の主な特徴は下記の3つです。

  • 幅広いカテゴリーのITツールの導入が対象
  • ITツールベンダーと一体になって申請する
  • 補助金額の大きさ

この記事はIT導入補助金の制度概要、そして申請の際の重要ポイントまで説明します。

この記事を読んで、会社をまるごとITに強い次世代型にしてしまいましょう。

お忙しい方のためにIT導入補助金について45秒動画にまとめました

Stock footage provided by Videvo, downloaded from https://www.videvo.net

1.IT導入補助金とは

IT導入補助金は、中小企業がITツールを導入する事業経費の一部を中小企業庁が補助するものです。

業務プロセスや、バックオフィス業務を中心としたIT化を促進するために大いに利用できます。

例えば、日々業務が発生する経理などのルーティン業務を効率化させるITツールや、顧客などの情報を一元管理するようなクラウドシステムなどの導入に活用できます。

補助金は、融資と異なり返済義務がありません

言ってみれば、国からもらえる資金です。

従来は補助金というと、大企業や大学の研究開発や試作を中心に受給されていました。

しかし、IT導入補助金は、中小企業の資金調達のニーズに応える補助金となっています。

IT導入補助金とはどのような制度なのでしょうか?

誰が利用できるのでしょうか?

IT導入補助金の制度概要について掘り下げて説明します。

(1)IT導入補助金の対象者

IT導入補助金を受けられる要件は、下記公式説明ページにあるようにシンプルです。

中小企業・小規模事業者等(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)
引用元 https://www.it-hojo.jp/first-one/

中小企業であれば、幅広い業種が対象となるのがIT導入補助金の魅力です。

中小企業かどうかは業種ごとに規定されています。

例えば、製造業・建設業・運輸業・ソフトウエア業・情報処理サービス業では資本金3億円以下、従業員数300人以下の企業が中小企業です。

個人事業主でも申請可能です。

(2)IT導入補助金の対象となる事業

IT導入補助金の対象となる事業は、下記の表のプロセスの中で、あなたの会社でまだシステム化が不十分な業務分野にITツールを導入する事業です。

2018年までと比較すると、要素がまとめられてシンプルな表になっています。

パッケージ プロセス
業務
  • 顧客対応・販売支援
  • 決済・債権債務・資金回収管理
  • 調達・供給・在庫・物流
  • 人材配置
  • 業務固有プロセス(実行系)
  • 業務固有プロセス(支援系)
  • 会計・財務・資産・経営
  • 総務・人事・給与・労務
効率化 自動化・分析
汎用 汎用
汎用とは、広い業務に適用できる独立したパッケージ。グループウェア、文書管理、Saasのライブラリーなどが該当。

そして、上記分野にITツールを導入することによって、生産性を向上させる効果が見込まれなければなりません。

具体的には、生産性の3年後の伸び率が1%以上、4年後の伸び率が1.5%以上、5年後の伸び率が2%以上を目標とした計画を作成することが求められます。

それぞれのITツールについて、どのプロセスに効果的なツールなのか、分かるようになっています。

補助対象の事業としては、下記のようなケースがあげられます。

ケース1 卸売業、小売業など
問題
今までは受発注管理、在庫管理、売上管理を個別のExcelシートで管理していた

IT導入事業
定型業務の自動化ツール(RPA)を導入することで、すべてを連携させて自動化する

効果
各管理帳簿間での転記、転記ミスの修正がなくなり、チェック時間に要する業務時間が削減された
ケース2 介護、保育、警備、工場など
問題
今まではシフト間の情報共有、連絡を手書き書類で管理していた

IT導入事業
情報共有・連絡ツールを導入する事業

効果
書類作成・提出までの時間が短縮して、早番・遅番職員の情報共有も円滑になった。

(3)IT導入補助金の対象となる経費

IT導入補助金の対象となる経費は、業務生産性向上に寄与する前述の対象事業のソフトウエア、それに付随するオプション、役務(サービス)の費用です。

補助対象となるオプション製品とは下記です。

  • 機能拡張
  • データ連携ツール
  • セキュリティ
  • ホームページ関連費(ただし、一方通行の情報発信しかできないホームページは対象外

また役務(サービス)には下記が含まれます。

  • 導入コンサルティング
  • 導入設定・マニュアル作成・導入研修
  • 保守サポート

IT導入補助金の対象となるITツールは、公式説明ページで公開される、対象ITツール一覧で公開されます。

上記のページで公開されているITツール以外は補助金の対象とならないので注意が必要です。

また、ハードウエアも対象外ですのでご注意ください。

(4)IT導入補助金の補助率と最大補助金額

IT導入に関して生じた前述の経費に関して2分の1の補助率で補助されます。

ただし、上限額、および下限額については、補助事業の内容によって、下記のようにA類型B類型に分けられます。

A類型

比較的申請のハードルは低く、補助額も比較的小さい

B類型

申請のハードルが少し高いが、補助額も大きい

A類型 B類型
ITツール必要導入数 2プロセス 5プロセス
上記のうち業務パッケージの中から選ぶべき個数 最低1プロセス 最低3プロセス
補助上限額 150万円未満 450万円
補助下限額 40万円 150万円

A類型は、前述のパッケージとプロセスの表の中から、2つのプロセスを改善するツールを導入することが求められます。

そして、その中の少なくとも1つのプロセスは、業務パッケージの中から選ぶことが必要です。

B類型は、5つのプロセスを改善するツールを導入することが求められます。

そして、その中の少なくとも3つのプロセスは、業務パッケージの中から選びます。

2018年の要項と比較すると、下限額が15万円から40万円(A類型)に上がったので、少し申請のハードルが上がりました。

しかし、上限額が2018年の50万円から、一気に450万円(B類型)に上がったのは、比較的規模の大きいシステム導入を検討している中小企業にとって大きな魅力です。

(5)IT導入補助金の公募期間、採択日、事業実施期間

2019年のIT導入補助金の公募・申請期間、採択予定日、事業実施期間は下記のとおりです。

A類型 B類型
公募期間 5月27日(月)~6月12日(水) 5月27日(月)~6月28日(金)
採択予定日 6月26日(水) 7月16日(火)
事業実施期間 交付決定から5ヶ月程度

二次公募も、2019年7月中旬頃開始される見込みです。

事業実施期間で注意すべき点は、契約(受発注、申し込み)・納品(サービス開始)・支払いすべてが、交付決定日以降であることです。

書類上の発注日付が、交付決定前の日付になっていて、補助金対象外になるというミスがないよう注意しましょう。

(6)IT導入補助金事業で頼りになるパートナー

IT導入補助金の申請を行いたい中小企業は、登録されたITツールベンダーと「パートナー」になって申請します。

IT導入補助金の事務局に登録されたITツールベンダーは、「IT導入支援事業者」と呼ばれています。

IT導入支援事業者は、適切なITツールの提案・導入・アフターサポートをしてくれます。

また、事務局からの指示、指導に関しても、中立ちとなって対応、サポートしてくれる心強い存在です。

IT導入支援事業者が登録したITツールを選択することによって交付申請が行われます。

(7)他の補助金との比較

中小企業を対象にして、よく利用されている補助金としてはIT導入補助金以外に下記2つがあります。

  1. 小規模事業者持続化補助金(小規模事業者補助金)
  2. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)

それぞれについて説明します。

#1.小規模事業者補助金

従業員20人以下の小規模事業者が、商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作成し、販路開拓などの経費の一部を支援するものです。

補助率

補助対象経費の3分の2以内

補助上限額

50万円、100万円(賃上げ、海外展開、買物弱者対策)、500万円(複数の事業者が連携した共同事業)

IT導入補助金と異なり、小規模企業の販路の新規開拓、事業承継に向けた取り組み、生産性向上に向けた取り組みを実施する事業者を重点的に支援する補助金です。

ただし、事業の選び方によってはITツールの導入にも活用できます。

そして、IT導入補助金と異なり、下限金額がないので、少額のITツール導入については小規模事業者補助金を活用できる可能性があります。

#2.ものづくり補助金

補助率

補助対象経費の最大3分の2以内

補助上限額

100万円~1,000万円

IT導入補助金と異なり、革新的サービス開発・試作品開発・生産性プロセスの改善を行うための補助金です。

ものづくり補助金も、事業の選び方によってはITツールの導入に活用できます。

IT導入補助金より上限金額が大きいので、大規模なITツール導入については、ものづくり補助金を活用できる可能性があります。

ものづくり補助金についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

ものづくり補助金完全マニュアル!確実に補助金獲得するための3ポイント

2019.04.15

2.IT導入補助金を獲得するためのポイント

返済義務がないIT導入補助金の申請は、中小企業にとってメリットしかありません。

IT導入補助金の申請プロセスの大きな特徴は、すべての申請プロセスは、「申請マイページ」というウェブページを通してオンラインで申請するという点です。

公庫や金融機関の融資の際のように、最後は顔を合わせる面談で経営者の熱意を示して資金調達を目指すという戦略を採れません。

少し特殊な申請スタイルかもしれませんが、ITやインターネットが苦手な方にとってはいいトレーニングになりますし、IT導入支援事業者のサポートもあるので、心配する必要はありません。

いくつか、IT導入補助金を獲得するためのポイントを説明します。

(1)おもてなし認証の取得

経済産業省が推進する「おもてなし規格認証」を取得していると、IT導入補助金の審査時に加点されるので大きく有利です。

おもてなし規格認証とは、日本全体のサービス産業の底上げをはかるために、高品質なサービスに対して、それにふさわしい評価が受けられるための規格認証制度です。

おもてなし規格認証について詳しくはこちらを参照してください。

(2)クラウドツールの利用

IT導入補助金の申請時に、「クラウド製品」としてITツール登録されたソフトウエアの導入を選択すると、審査時に加点されます。

自社の課題をよく検討して、クラウドタイプのITツールで解決可能かどうか、IT導入支援事業者とよく相談しましょう。

(3)IT導入支援事業者選びは重要

IT導入補助金の申請は、IT導入支援事業者と呼ばれるITツールベンダーと「パートナー」になって申請します。

のパートナー選びはたいへん重要です。

なぜなら、今年のIT導入補助金の申請は、例年より採択率が低くなることが予想されているからです。

前述の通り、補助上限額が昨年の上限50万円から、450万円に大幅に引き上げられました。

ただし、予算総額が大きく増額されたわけではないようです。(他の補助金との合算での金額しか公表されていないので詳細は不明です)

1件あたりの交付額が増え、全体の予算は大きく変わらないとすると、今年のIT導入補助金の採択率は厳しくなると予想されます。

その中で、IT導入補助金を無事獲得するには、下記のようなIT導入支援事業者をパートナーに選ぶことが重要です。

  • 幅広いITツールを提供できる
  • 過去のIT導入補助金の活用実績が多い
  • 事務局との間でじょうずに中立ちをしてくれる

(4)経営課題と導入するITツールの明確なマッチング

会社が抱える経営課題を解決してくれるITツールの導入を申請することが重要です。

IT導入補助金のホームページには「経営診断ツール」と呼ばれるツールがあります。

IT導入補助金を申請する場合は、経営診断ツールを使って、自社の経営課題を分析しなければなりません。

この経営診断ツールによって導かれた経営課題と、導入を申請するITツールが明確にマッチングしている必要があります。

まとめ

IT導入補助金の制度概要から、申請の際のポイントまですべて網羅して説明してきました。

2018年までと比較すると、補助金額の下限と上限両方が大幅にアップしたので、少し申請のハードルは上がりました。

それでも、長い目で見ると、IT導入補助金を利用して、会社のIT化を一気に推進することは会社の足腰を強くするのにたいへん効果的です。

まだIT導入が遅れている中小企業の経営者であれば必ずおさえておきたい補助金です。

毎年少しずつ制度はアップデートされますが、いまのところ制度がなくなることはなさそうですのでこの機会にぜひ一度検討してみてください。

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