【広告代理店のはじめ方】新規事業始めるならネット広告代理店がおすすめ

はじめに

この記事ではタイトルのとおり、「ネット広告代理店の開業方法」をお伝えするのが目的です。

起業や副業に関する情報はたくさんあるなか、「ネット広告代理店のはじめ方」に特化したものははじめてだと思います。しかし類のないテーマだからこそ、読者の皆さんの頭には次のような疑問が浮かんでいるはずです。

「そもそもネット広告代理店って何?」

「個人や企業が広告代理店を立ち上げることができるの?」

「開業できてもちゃんと運営できるの?」

「運営できたとしても、果たしてほんとうに儲かるビジネス?」

まずネット広告代理店とは、リスティング広告(検索連動型広告)やSNS広告などのインターネット広告を専門に扱う会社のことです。1998年に最大手のサイバーエージェントが設立されているように、インターネット広告が台頭してきた90年代後半に「ネット広告代理店」という新たな業態が誕生しました。

以降、ネット広告の市場規模は拡大を続け、その動きと連動して扱う代理店の数も増えています。

ネット広告代理店の企業数は、自社推計で2000社程度とみています。この数をどうとらえるかですが、少なくとも地方に限ればネット広告代理店の数は圧倒的に不足しているのは間違いありません。代理店の多くが東京などの大都市圏に集中し、ネット広告の出稿を検討している地方の中小零細企業は置き去りにされているのが実情です。

地方はいま、ネット広告の需要が供給を上回るブルーオーシャン状態にあるといえるでしょう。

そんなビジネスチャンスの宝庫ともいうべきネット広告代理店を地方で立ち上げ、事業として成立させ、利益を上げるための方法を解説しています。

読者対象は、地方で起業や副業を考えている人、ビジネスの拡大をめざして新規事業の立ち上げを検討している事業主や経営コンサルタント、税理士や中小企業診断士といった士業の先生方などです。

もちろん、都市部を拠点に活動している人にとっても参考になる内容ですので、ネット広告代理店の可能性をどうぞ再認識してみてください。

「ネット広告の需要があるのは分かったけれど、本当に広告代理店なんて開業できるの?」

そんな疑問がやはりつきまとうと思いますが、どうぞご心配なく。本文で説明しているように、ネット広告代理店は「ひとりでもすぐはじめる」ことができ、「初心者でも運用できる環境が整っている」うえに、「伸び盛りの市場」を舞台に事業を展開できるというメリットがあるのです。

経済が成熟していくこの日本において、成長市場を見つけるのは容易ではありません。仮に運よくめぐり合っても、参入障壁が高かったり、大きな初期投資が必要だったり、国家資格や高度技術が求められたりすれば、第一歩を踏み出すためのハードルは高くなってしまいます。

その点、個人や企業が身軽に参入し、市場拡大の恩恵を受けながら事業を展開できるネット広告代理店は、まさに時流に乗ったビジネスといえるのです。

なかでも重点を置いているのは、ネット広告代理店事業を成功させるために必要な考え方です。とくに「稼げる広告代理店事業のビジネスモデルの生み出し方」「売りやすいパッケージ商品の開発方法」「広告代理店事業で効率よく収益を上げる仕組みづくり」「自社にあった優良顧客を獲得する方法」などについて詳細に記述しています。

「ネット広告」と聞くと、ともすれば出稿や運用のノウハウに目が行きがちです。しかしIT技術が日進月歩で進化するなか、ノウハウに焦点を当てると技術のアップデートに追いつかず、内容がすぐ古くなってしまいかねません。

本書では、技術面についてはできる限り普遍的な内容に絞って触れるよう意識しましたが、それよりも広告代理店というビジネスモデルそのものの立ち上げと運用に比重を置いて解説しています。

ネット広告という成長市場の波に乗り、稼ぐビジネスをつくり出す、この記事がそのお役に立てることを願っています。

なぜネット広告代理店は稼げるのか?

ネット広告が出会いを演出し、救われた一人の患者

「治療院を開業したが、思うように集客できない。ホームページを活用できないだろうか」

私がWeb業界に入って間もない2000年ごろ、お世話になっていた治療院の先生からそんな相談を受けました。

当時はネットで集客といえばSEO(検索エンジン最適化)が主流の時代でしたが、私はリスティング広告での集客効果を知っていたこともあり、ホームページの制作とリスティング広告を提案しました。企画は採用され、初めて仕事を受注することになったわけですが、この経験が「ネット広告代理店事業」の原点になりました。

治療院の集客といえば、現在はエリア戦略で展開するのが定石です。「エリア名+治療院」といったキーワードで出稿し、地域ナンバーワン店をめざすのです。

しかし私は異なるアプローチから入りました。先生は顔面神経麻痺の治療が得意で、外科手術を受けても治らなかった患者さんを何名も改善させてきた実績を持たれていたからです。

そこで「顔面神経麻痺」に特化したホームページをつくり、リスティング広告の掲載範囲を地域限定ではなく全国に広げました。するとこれが当たりました。症状で悩んでいる全国の患者さんからの問い合わせが相次ぎ、すぐ1ヶ月先までの予約が埋まってしまったのです。

治療院が繁盛するようになって半年後、先生のもとを訪ねる機会がありました。

そのとき、私は衝撃的な話を耳にすることになります。

先生の治療院には重度の患者さんが数多く来院されるようになっていたなか、とくに症状の重いAさんが遠方から来られていました。Aさんは10年以上前に顔面神経麻痺を発症して以来、病院を何件も回ったものの改善の見込みがなく、治療をあきらめかけていたそうです。

ところがリスティング広告を目にして希望を抱き、すがる思いで先生の治療院に相談に出向くことになったのです。

Aさんの病状は先生から見ても改善する見込みがあるかどうか分からない状態でしたが、とにかく治療を進めることが決まりました。すると1ヶ月もすると変化の兆しが見えはじめ、数ヶ月後には普通の人と変わらない状態にまで良くなったのです。

そのとき、Aさんが呟いたというひと言を先生から伺い、私は言葉を失いました。

「もう一生、笑うことなんてできないと思っていた」

顔面神経麻痺とは、人が一番注目する顔の神経が動かなくなる病気です。Aさんは10年以上も表情を思うようにつくれず、人と会うことさえ控えるようになっていたといいます。

「笑う」という、一般の人にとっては普通のことができなくなる……。

そのつらさがどれほどのものか、私には想像すらできませんでした。

しかしたったひとつだけ、Aさんの力に僅かにでもなれたのかもしれないという、かすかな手ごたえがありました。

それがリスティング広告です。

もし私がリスティング広告を出していなければ、Aさんは先生と出会うことはおそらくなかったでしょう。

そのとき、私は確信しました。

「悩んでいる人と、悩みを解決できる人を広告でつなぐことができれば、きっと誰かのお役に立てる」――と。

日本中の中小企業がネット広告代理店を求めている

その後、私は大手ネット広告代理店に入社して広告運用業務に携わったのち、ハウスメーカーのグループ会社で広告自社運用チームの立ち上げを経験しました。そして2014年にネット広告代理店事業を主軸としたデジマチェーン株式会社を設立し、現在に至ります。

こうしてWeb界隈に身を置くようになってからの約20年、企業規模の大小を問わず、数多くの会社のネット広告を手がけてきました。そのあいだ、常に頭の片隅にあったのが冒頭のエピソードです。

もちろん広告代理店として仕事をしている以上、広告主が求める成果を追求しなければなりません。広告主の期待に応えることができなければ代理店としての仕事を失うでしょう。白状すると、成果を出すために手段を問わない行動に出た経験も過去にはありました。

しかしながら、リスティング広告を通して誰かの悩みを解決する手助けができたのは紛れもない事実なのです。

世の中には、あの治療院の先生のように確かな腕があるにもかかわらず、集客がうまくできずに実力を発揮できていない人がたくさんいます。同様に、Aさんのように深い悩みを抱えながら、解決できずにいる人もたくさんいます。

お互いに手を伸ばし合っているにもかかわらず、適切に結びつくことができていないのです。なぜなら技術を持つ人の情報が、それを必要とする人にうまく伝わっていないからです。だからこそ広告が必要なのです。

情報の発信者と受け手の乖離について、常日頃から課題に感じることがありました。それは後述のように、とくに地方の中小企業や事業主の貴重な情報が、それを求めている人に届いていないという現実です。

現在、ネット広告代理店は大都市圏に一極集中し、小規模の広告予算しか持たない地方の中小零細企業や事業主の対応は手薄になっているのです。

悩みを持つ人たちに対して、解決できる人たちの情報をきちんと届ける。

そのためには、情報をつなぐ役目を持つ広告代理店の存在が不可欠です。

なかでもネット広告の需要が多いにもかかわらず、供給が不足している地方にこそ、情報の媒介者であるネット広告代理店が必要である。この結論に至ったのが、私がこの記事を書いたいちばんの理由です。

感動体験が忘れられず、すべての人を救うんだというような聖人君主を気取るつもりはありません。需要が供給を上回る地方でネット広告代理店を開業すれば、ビジネスとして利益を稼ぎ出すことができる。私自身も大阪でネット広告代理店を経営しているからこそ、身をもって体感できている事実です。

つまりビジネスの視点で地方のネット広告市場を俯瞰すれば、そこに確かな商機があるのです。

ネット広告の市場規模は拡大を続けている

出典:日本の広告費

地方でネット広告代理店事業を開業して成功できる可能性を、数字でより具体的に迫ってみたいと思います。

まずインターネット広告市場は5年連続で2桁成長を続けており、2018年度のネット広告費は1兆7589億円(前年比116・5%)に拡大していますこのままの勢いで伸び続ければ、19年度か20年度にネット広告費がテレビ広告費を上回る可能性が高いでしょう。

経済が成熟し、今後も市場規模が右肩下がりを続けていくであろうこの日本において、成長市場を見つけるのは簡単ではありません。伸び盛りの市場でビジネスに取り組めるという点に限ってみても、ネット広告市場に飛び込むメリットがあるといえるでしょう。

出典:平成 30 年通信利用動向調査の結果

さらに注目すべきは、中小企業のネット広告利用率が約4割にとどまっている点です(図表1_2/総務省「平成30年通信利用動向調査)より)。ネット広告市場はまだまだ広大で、参入の余地が十分にあることが分かります。

ただしその内訳をみると、「不動産業」「金融・保険業」といったお金に絡む業種のネット広告利用率はいずれも6割を超えています。総じてBtoCに関連する業種については、中小企業であってもネット広告を比較的利用している状況がみてとれます。

一方、「製造業」「運輸業」といったBtoBを前提とした業種の利用率は著しく低くなっています。

たとえば製造業を例に挙げると、全国には高い技術力を武器に世界で活躍しているものづくり企業がたくさんあります。そうした企業のなかには下請けの仕事から脱却するべく、自社の技術力を活かしたオリジナル商品を開発し、BtoCマーケットに積極的に展開しようとする動きが強まっています。

ところが技術やノウハウは一流でも、ブランド力が低いためにBtoCでは注目を集めにくいのです。

大手から仕事が割り振られていくシャンパンタワーのような日本独特の下請け構造は崩壊のさなかにあります。今後、全国の中小製造業者はもとより、各種のBtoB業者もネット広告を有意に活用し、自社のブランディングやオリジナル商品の販促活動などに取り組む傾向がより顕著になっていくでしょう。

そこで求められるのが、やはりネット広告代理店の存在です。現状は全体で4割にとどまる中小企業のネット広告利用率が増すほどに、その受け皿となる代理店が不可欠になってくるからです。

中小企業がネット広告の出稿や運用を相談し、安心して任せられる代理店の価値が今後、ますます高まっていくのは間違いありません。

「中小企業」を細分化すると、「本当の狙いどころ」が見えてくる

出典:日本の中小企業(総務省)

ただし、ここまでの数字で前提としてきた「中小企業」は、じつは範囲が相当広いことにお気づきでしょうか。

中小企業庁によると、いわゆる「中小企業」の企業数は421万社とされています。しかしながら、たとえば「製造業その他」の中小企業基本法の定義は「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人」となっています。この規模はれっきとした「中企業」であり、後述のようにネット広告代理店を開業して狙うべき企業規模ではありません。

このように、「中小企業」という大きな枠組みで考えると狙うべき市場がぼやけます。

しかも「ネット広告」とひと口にいっても、各種の運用型広告からアフィリエイト、求人まで支援メニューは千差万別です。広告主の企業規模や業種業態によって支援の仕方は異なりますから、その意味でも「中小企業」でひとくくりにして参入市場を見定めようとするのは難しい側面があるのです。

一方、中小企業庁は「小規模企業者」も同様に定義しています。「製造業その他は従業員20人以下」「商業・サービス業は従業員 5人以下」というものです。

これらの小規模企業者の定義に当てはまる企業数は366万社以上にのぼります。約420万社の中小企業のうち、じつに9割近くが小規模企業者というわけです。

以上の数字を踏まえたうえ、では新たにネット広告代理店を開業して狙うべき市場はどこでしょうか?

私はネット広告代理店の総数と中企業の関係性に着目しました。

まず、全国の広告代理店の総数は8916社となっています。この数の中には、制作会社やマスメディア広告の代理店も含みます。

出典:平成30年特定サービス産業実態調査

次に、純粋にネット広告代理店に絞り込むと、まだまだネット広告のみを扱う代理店は多くないので2000社程度ではないかとみています。私の感覚値にすぎませんが、大手ネット広告代理店をはじめWeb業界に20年身を置いてきた経験を踏まえても、妥当な数値だと考えています。

一方の中企業の数は、先ほどの数値から算出すれば60万社弱(421万社-366万社)ということになります。このようにみていくと、「ネット広告代理店1社あたり約300社の中企業(60万社÷2000社)」という市場構造になります。

これが何を意味しているのかといえば、既存のネット広告代理店は小規模企業者にまで営業範囲を広げなくても、中企業の60万社を対象にするだけでビジネスが成立していると考えられることです。中企業はその企業規模を活かして比較的多くの広告予算を投じることができるため、代理店にとって「中企業」というマーケットはより多くの手数料を獲得できる商売上のうまみがあるのです。実際、近年は中小企業支援に特化した広告代理店も増えてきました。

このように中企業までの営業範囲でとどまっている結果、全国の小規模企業者にまでネット広告代理店のサービスが行き届いていないのが現状です。視点を変えると、366万社以上ある「小規模企業者」こそ、これからネット広告代理店をはじめる際の「本当の狙いどころ」といえるのです。

狙うべき市場の結論は、「地方×小規模企業者」というマーケット

加えていえば、中小企業全体でネット広告の利用率が4割にとどまるなか、とくに地方の小規模企業者はネット広告を活用し切れていない実情があります。

その要因は次の2点です。

一つは、ネット広告代理店が東京など大都市圏に集中している点。そしてもう一つは、前述のように既存のネット広告代理店は中企業を相手にするだけで商売が成り立っていると考えられる点です。

以上の二つの要因から地方の小規模企業者に対応できるネット広告代理店が少なく、その結果、地方の小規模企業者は「ネット広告の相談がしたくても頼む先がない」という状況になっています。

たとえば地方の小規模企業者から耳にした話では、「ネット広告代理店に問い合わせをしても返事すらもらえなかった」ということでした。あるいは中小企業支援に特化したあるネット広告代理店では、「ネット広告出稿予算が月間100万円以上の広告主しか受け付けない」といいます。

地方で月間100万円の広告予算をねん出できる企業は限られるでしょう。つまり代理店は、はなから地方には目を向けていないのです。そもそも10万人規模の地方の街でもネット広告を取り扱う代理店が存在しないケースも少なくありません。

人口も経済も大都市圏に一極集中する日本では、ネット広告市場も同様に地方格差が拡大しているといえます。

手数料ビジネスの限界のしわ寄せが地方に

ここでネット広告代理店の市場構造を〝広告予算〟という切り口で図式化したのでご覧ください。

広告主が支払う月間広告予算は10万円~1,000万円以上まで大きな開きがあります。これらのうち、月間広告予算が1000万円以上の案件は中堅から大手の代理店の間で取り合いになっています。

その一段下の月間広告予算100万円~300万円あたりから小規模代理店が参入しはじめ、さらにその下の50万円~100万円の市場は小規模代理店の独壇場となっています。大手の代理店ほど大規模案件を獲りに行きますから、必然的にすみ分けが生まれるわけです。

じつはこの50万円以下の市場とは、イコール地方の小規模企業者と置き換えることが可能です。

「ネット広告代理店に連絡しても返事をもらえなかった」というエピソードを紹介しましたが、その話をしてくれた地方の小規模企業者が負担できる月間広告予算は30万円程度でした。「10~30万円程度しか月間予算を組むことはできないけれど、ネット広告を何とか出したい」――そんな希望を持つ小規模企業者は地方にたくさん存在する一方、その需要の受け皿となる供給がまったく追いついていないのです。

ネット広告代理店の収益モデルの中心は手数料です。代理店は広告予算の20%程度の手数料を受け取ることになります。そのため代理店にとっては大きな予算を持つ広告主と取引をしたほうが手数料が多く入り、経営効率が高まるのです。

結果、予算の少ない広告主、つまり地方の小規模企業者をサポートするネット広告代理店は必然的に少なくなってしまうわけです。

このように、地方の小規模企業者が置き去りにされている現状を整理すると、「地方×小規模企業者」というマーケットはまさに〝ブルーオーシャン〟の状態にあることが分かります。

つまり「地方×小規模企業者」というマーケットが、今後ネット広告代理店を開業して最も狙うべき市場、最も稼げる市場ということになるのです。

地方の治療院の6割が「ネット広告を利用したい」

地方の小規模企業者のネット利用に関して面白いデータがあります。

私が経営する広告代理店開業支援会社「デジマチェーン株式会社」と、岡山を拠点に治療院の集客支援を展開している「YMC株式会社」による2社共同で、全国の治療院を対象に行った「ネット広告利用状況に関するアンケート調査」(2019年2月の3日間、ネット調査実施。有効回答数202件)です。

この調査では全国36の都道府県から有効回答が寄せられました。それぞれの属性で割合が高かったのは設立年数5年~10年(33%)、従業員数1名(40・1%)、年商11001万~3000万円(36・1%)です。つまり〝地域の患者を対象に小規模に経営を展開している治療院〟の状況が回答に表れているのが本アンケートの前提です。

さて、この調査で「過去1年間の宣伝方法」について聞いたところ、経営好調(非常によい・よい)の治療院と、経営不調(よくない・あまりよくない)の治療院とで10ポイント以上の差がついた項目がありました。

そこで当該項目について経営状態と広告利用の関連性を調べたところ、経営好調の治療院ではネット広告・YouTube・Googleマイビジネス・Facebookなどの利用率が高い一方、経営不調の治療院はポスティング・折込チラシの利用率が高いことが分かりました。ネット広告を使う治療院と旧来の宣伝方法が中心の治療院で、経営状態に差が生じる可能性が浮かび上がったのです。

ネット広告は予算や期間、内容などを自らコントロールでき、独自の効率的な集客・販売システムをつくりあげることができます。調査結果を見ても明らかなように、経営資源の乏しい地方の小規模企業者こそ、ネット広告をテコにビジネスを拡大できるチャンスがあるといえます。

さらにこの調査では、「ネット広告代理店を利用してみたいか・利用したくないか」についてもアンケートを行っています。結果、「利用したい」と「利用したくない」が4割ずつで均衡し、残りの2割は「その他」でした。

私が着目したのは「その他」の理由です。様々な回答が寄せられていたなかで、「費用対効果が良ければ使ってみたい」といった主旨の意見が最も多くありました。「費用対効果が良ければ……」と専門的な用語が枕につくるのは、「その他」の2割の人たちの総和は「マーケティングがある程度理解できている層」であると考えられます。すでに紙媒体とネット媒体の広告出稿を共に経験し、そのときはネット広告の効果がそれほどではなかっただけかもしれません。

このように仮説を展開していくと、「その他」の2割の人は「(潜在的に)ネット広告を利用したい」というポジティブな意見とみなして問題ないと判断しました。すると地域の治療院の6割が「ネット広告を使ってみたい」と考えていることになります。

治療院業界に限っていえば、健康保険に関する指導が強化されたり、申請手続きが厳格化されたりする措置が進んでおり、経営の安定化のために自費診療施術といった強みを活かした集客がますます重要になっています。

患者さんから選ばれる治療院になるためにも、自院の強みを磨き上げ、自ら集客できるビジネスモデルを確立する必要があるわけです。これは治療院業界に限らず、市場の縮小傾向が続く他の分野においても同様でしょう。

今回の調査は地方の治療院に特化していますが、ネット広告を活用したマーケティングやブランディングに取り組むのは日本全国の小規模企業者に共通した課題といえます。その意味でも、地方の小規模企業者のネット広告市場にはビジネスチャンスが眠っているといえます。

地方の小規模企業者が抱く〝3ない〟とは?

このように地方にはネット広告の出稿を希望している小規模企業者がたくさん存在します。ところがネット広告代理店から相手にされていない現状に対して、私は地方の小規模企業者には〝3ない〟の不満が蓄積しているとみています。

地方の小規模企業者が抱く〝3ない〟

 

ここにタイトル

  1. ネット広告とは何か分からない
  2. 出稿や運用の仕方が分からない
  3. どこに頼めばいいのか分からない

 

ネット広告とは何か分からない

「ネット広告は漠然とは知っているけど、具体的にどのような種類があるのか、どのような仕組みで動いているのか、どの程度の予算があれば出稿できるのかと聞かれると、さっぱり分からない」という人が少なくありません。

ネット広告に限らず、分からないことに対して疑問を持ったり、質問したりすることはできません。まして技術が日々アップデートされていくインターネットやITの世界はなおさらで、私たち専門家でさえネット広告の進化についていくのは容易ではありません。プロでさえそうなのですから、一般の人がネット広告を理解するのは簡単ではないのは確かでしょう。

出稿や運用の仕方が分からない

その第一のハードルをクリアし、ネット広告に関する知識をある程度持つと、「どうやら自分でも広告を出せるらしい」ということが分かってきます。しかしここで二つ目のハードルが立ちはだかります。どうやって出稿すればいいか分からないのです。

小規模企業者の方々は、プレイングマネジャーとしてビジネスの一線で活躍されていることでしょう。ただでさえ本業で忙しいのに、ネット広告に関する勉強を行い、自分で広告を出して運用するための時間を捻出できる人はほとんどいません。

デジタル全般に興味関心のある方の場合、趣味の一環でネット広告にチャレンジされるケースはまれにあります。しかし多くの場合、思うような成果を上げられずに行き詰ってしまいます。自分でネット広告を出せるからといって、素人の知識で効果を実感できるほど甘くはないのです。

以前、クライアントである治療院の先生が次のようにおっしゃっていました。

「確かにネット広告は誰でも扱えるが、西さんはWeb業界で20年近くのキャリアを持つプロフェッショナル。それは私自身が長年、治療院を経営する中で技術を磨いてきたのと同じ。餅は餅屋で、素人の私がネット広告を運用できるのかといえば大間違いで、きちんとプロに任せるべき」

この先生の言葉にあるように、事業主の方々には本業に経営資源を集中していただき、ネット広告はプロに一任してほしいというのが私の思いです。

いずれにせよ、大半の事業主の方々はネット広告に興味を持ちながらも、「じゃあどうすればいいの?」という段階で立ち往生しているのが実情です。

どこに頼めばいいのか分からない

ところが、いざ地方の小規模企業者がネット広告の出稿をプロに頼もうと思うと、第三のハードルにぶち当たることになります。そもそもネット広告代理店という存在を知らないことも多いでしょうし、仮に知っていてもそんな会社は近くにないのです。そこでハタと気づきます。

「誰に頼めばいいの?」

仮にネット検索でめぼしい代理店を見つけても、すでに触れたように連絡しても返事すらないケースが少なくありません。

そうこうしているあいだにも、本業のビジネスは待ったなしで動いています。頭では「ネット広告を利用したい」と思いながらも、日常に忙殺されるなかで徐々に忘れてしまうのが実際のところではないでしょうか。

以上の〝3ない〟の結果、高い技術やノウハウを持つ小規模企業者が日本中に数多く存在するにもかかわらず、その人たちの情報が必要とする人たちに伝わらないという、本章の冒頭で提起した問題が生じてしまうわけです。

地方の〝ネット広告難民〟を救う受け皿が必要

この〝3ない〟をクリアし、ネット広告代理店に依頼することができた場合でも新たな課題が生じます。

・代理店が何をやっているのかよく分からない

・代理店が成果を出しているかどうか分からない

などです。

とくにネット広告を自分で出した経験がない人の場合、そもそも管理画面という存在自体を知りません。そのため「代理店の担当者はどこで何をやっているのだろう」と不安に感じてしまうのです。

さらに自社のネット広告がどの媒体で、どのような見え方や精度で表示されているのかすら把握できていない広告主も少なくないようです。

だからこそ代理店は、広告主の不安や不満を払拭するための説明や報告に力を入れる必要があるわけですが、なかには管理画面の数字をエクセルに張りつけて報告するだけの代理店もあるようです。

その結果、「ネット広告の出稿を代理店に頼んだのはいいけれど、具体的な成果がいまいち分からない」といった不満の声をよく耳にします。代理店と広告主のあいだで成果の捉え方が共有できていない、あるいは代理店の報告の仕方や言葉の使い方が適切ではないといった原因が一端になっているのでしょう。

とくに地方の小規模企業者が都市部の代理店に依頼した場合、やり取りはメールや電話などが中心となります。その方がお互い効率的というメリットがある反面、広告主にとって代理店の行動が余計に見えなくなるというデメリットにもなりかねません。結果として、代理店に対する不信感が募っていくことになります。

以上のように、ネット広告に関する〝3ない〟に直面したり、代理店との付き合い方に苦慮したりしている人たちを、私はネット広告難民という強い言葉をあえて使って警鐘を鳴らしたいと思います。

では日本各地にたくさんいるネット広告難民を救うためにはどうすればいいのか。

その解決策こそ、繰り返しお伝えしてきたように地方にネット広告代理店を一社でも多く立ち上げることです。

同時に、それは起業や副業を目指している人、ビジネスの拡大を目指している事業者にとっての大きなビジネスチャンスでもあるのです。

誰でも簡単にはじめられるネット広告代理店

 

ネット広告代理店の仕組みはどうなっているのか

 

いま稼いでいるネット広告代理店とは?

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